私は今、育児をしながら働いており、会社では短時間勤務制度を利用しています。
時短勤務を始めてから5年半経った最近、時短のように何らかの制約がある中で働くときは
会社やクライアント先などの関係者と「期待値をすり合わせる」ことが非常に重要だと
強く感じるようになりました。
私の仕事は、システム構築の現場において進捗管理や課題管理といった
プロジェクトマネジメントを支援するというもので、
基本的にはクライアント先企業での勤務となります。
今の会社に入社しクライアント先に配属となる際、
上司が最初にしてくれたのは「期待値をすり合わせる」ことでした。
具体的には
・時間に制約があろうと自分が中心となり仕事を進めたいか、
サブ的な役割で業務量も抑えめに働きたいかといった社内における私の役割を上司とすり合わせる。
・上記の役割を踏まえて、クライアント先に提供する具体的な業務内容を取り決める。
といったもので、これらは自分が考える今後のキャリアを見据えながら話したものでした。
ここで期待値をすり合わせたおかげで、
勤務時間が短くても、期待値に合わせた価値を提供すれば評価を得ることができます。
私は、前職で短時間勤務制度を利用していたときは
自分が望む会社での立場・役割が、時短勤務者に対する会社の考えと合わず
「時短は肩身がせまい、働きづらい」という思いを抱えながら退職しました。
いま振り返ってみると、会社も私も
時短勤務者に期待することは何か、または時短勤務者としてやりたい貢献の仕方はどんな形かといった
「期待値をすり合わせる」ことが決定的に不足していたと感じており、
もし在職時に会社ときちんと話をしていたら、辞めることはなかったかもしれないと思います。
経産省が公表しているダイバーシティ経営100選の事例を見ていても、
ダイバーシティ経営がうまくいっている企業は共通して
「会社と社員の間で期待値をすり合わせること」に留意しているように見受けられます。
多様な個性を活かそうと取り組まれている経営者さんや、
活き活きと仕事をしていきたいと考えている人は、
ぜひこの「期待値のすり合わせができているか?」を振り返ってみられてはいかがでしょうか。
(赤塚 里絵)